星の唄
闇
**************
トセ様の涙。
その中に紛れて…
黒くて重たい固まりがひとつ。
誰も気付いていなかった。
トナル達が増えた頃。
ロノには…
テオには…
たくさんの幸せと夢が広がっていた。
その中で1人のトナルは、その黒くて重たい固まりに気が付いた。
気付いたトナルはその固まりを拾い上げた。
その瞬間。
トナルは黒い固まりに包まれてしまった。
トナルの中にヤムが生まれた。
憎むこと
嫌うこと
苦しむこと
優しい気持ちの中に、哀しい気持ちが生まれた。
それを見たトセ様も、
シアもツヒルイも哀しくなった。
ロノはヤムに包まれていった。
**************
――『星の唄』第五章より