星の唄


「カナデは…7年間ずっと夢を見続けてる。深い夢を。」

噂を思い出している結衣に奏空はさらにそう話した。
話す時の表情は暗いままだった…。


「…今日、結衣達が落ちたのがその深い夢だ。」

「え……?」

結衣は少し違和感を覚えた。

結樹に深い夢に落ちたと言われたが、結衣には夢に落ちたよう感覚はなかった。
確かにあの夢は何も見えたい闇だった。
深いと言えば深い、それも解る。

だけど落ちたと言うよりは¨呼ばれた¨感じだった。

それは少女が探していた¨星のかけら¨のせいだろうか…?


「で、夢に落ちたお前達を奏空が助けに行った。」

「私達…?」

そう言われてみれば、夢の中では誰にも出逢わなかったが、あの部屋にはたくさんの生徒がいた。
あれが全て夢に落ちた生徒なのだろう。

「でも結衣ちゃんだけ見つからなくて…。きっとカナデの所に居たからだね…。」

奏空は辛そうな顔で笑った。

「原因も解らなくてな。奏空とかなり探したんだぞ。」

結樹は結衣の頭を軽く小突く。
だから二人は必死だったんだ、と結衣は納得していた。


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