星の唄
二人が仕事に戻ったので、結衣も部屋へ戻った。
奏空の部屋に居てもいいと言われたが、それは落ち着かなかった。
─…コンコンッ。
(……?)
結衣は戻ってからよく寝ていたようだった。
昨晩は夢の途中で起こされたのだから無理はない。
ノックの音で目を覚まし、時計を見るともう夕陽が出る時間だった。
普段、結衣の部屋に訪ねて来る人はいない。
周りは授業の時に友達を作ったりしていたが、結衣にはそんな気も起きなかった。
─…ガチャッ。
「こんばんは。」
ドアの向こうに居たのは奏空だった。
「…どうしたの?」
「ちょっといいかな?」
「……?」
奏空はいつもと様子が違う。
たくさんの仕事に疲れているのだろうか?
結衣は心配しながらも奏空に着いて行った。
*
着いたのはある部屋の前。
部屋のドアには『関係者以外立入禁止』と書かれていた。
(…ここは……。)
奏空はドアの隣にあるテンキーを押しロックを解除した。
「どうぞ。」