星の唄
中に入ると思っていた通り、そこには機械に繋がれて眠る金色の髪の女性がいた。
女性は夢の中で出逢った少女より成長した姿だった。
「カナデ、結衣ちゃんを連れてきた。」
奏空は眠る女性に声をかけた。
それは結衣の好きな笑顔よりもっと優しい笑顔に見えた。
結衣はその笑顔に、また心の辺りに何か当たったような、そんな気がしていた。
「結衣ちゃん、彼女がカナデ。奏でるって書いて一文字で奏(カナデ)。」
「…奏でる…?」
「うん。俺と同じ。」
奏空は少し嬉しそうに笑って言った。
こんな嬉しそうに笑う奏空を結衣は知らない。
「結衣ちゃんには奏の事、ちゃんと話したいんだ。聴いてくれる?」
さっきまでの笑顔は真剣な眼差しに変わっていた。
「奏さんのこと…?」
結衣の知らない笑顔を奏には見せた奏空。
それが心に残ったままなのか…結衣は戸惑いながら頷いた。