星の唄


奏空は結衣の考えていることなんて知らない。
不思議そうな顔をして結衣を見ていた。

「なんでもない…。」

結衣はそう言うしかなかった。
理由は解らなくても、きっと奏空には話すのを止めたことが解るだろう。

けれど奏はどうして奏空に会いたくないんだろう?
奏空が作った¨星のかけら¨は欲しいのに?

結衣には理由が解らなかった。


「奏は¨星のかけら¨を探してるんだよね?」

思い付いたような奏空の声に結衣は顔をあげた。
彼の顔は何かを決めているように見える。

「うん。」

「結衣ちゃん、頼みがあるんだ。」


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