星の唄
見せたいモノ
奏空の頼み。
結樹にも鈴音にも舞衣にも反対された。
特に結樹は猛反対だった。
「結衣にそんな危険なことはさせられない!!俺が行く!!」
…と言って聞かなかった。
もちろん結樹の代案も舞衣としては反対だった。
鈴音もいい顔はしない。
それでも結衣を行かせるよりはいくらか安心なのだろう。
二人は結樹の代案に賛成した。
けれど。
「私が行く。」
結衣はもう決めていた。
何かを決めた時の結衣は頑固で、決めたことを撤回することは一度もなかった。
奏空から頼まれたのは奏を迎えに行くことだった。
奏が眠り始めてから今まで、夢の中で奏が誰かの前に姿を現すことはなかった。
もちろん、奏空にでさえ姿は見せない。
けれど、結衣は奏に「またね」と言われていた。
また会いに来るつもりなのだろう。
迎えに行くことが出来るのかは解らないが、結衣も奏に聴きたいことがあった。
「いってきます。」
結衣は奏空から預かった奏の¨星のかけら¨と連絡用の携帯を持たされ、ノアの箱舟に乗り込んだ。