星の唄
「え…?聞いてないの?」
「何を…?」
さらに首を傾げた結衣を見て今度は奏が首を傾げる番だった。
「聴いてると思ってた…。ま、別にいいんだけど。」
「……?」
何がいいのかも、何を聴いてないのかも結衣には解らなかった。
もちろん心当たりも無い。
奏空や結樹は結衣に何か話忘れているんだろうか?
「ここは私のお母さんが作ったの。」
奏はもう一度そう言い直した。
「だからね。この先が見たいの。」
奏はさらに夢の奥を指差した。
夢の奥は暗く、どこまで続くのかは解らない。
「だけど…奥に行く為には鍵が必要なの。その鍵が¨星のかけら¨なのかもしれないと思って…。」
「かもしれない…?」
「お母さんったら鍵をなぞなぞにしてあるの。」
「なぞなぞ…?」
鍵をなぞなぞにしてしまうなんて面白い人だな、と結衣は思った。
「どんななぞなぞなの?」
「奥へ進もうとすると絵本みたいなお話が流れるの。そのお話がパズルみたい散らばってて…順番に並べてタイトルをつけるみたいなんだけど…。」
「…???」
話を聴いただけではよく解らなかった。
結衣はなぞなぞと聞いて、もっと普通のなぞなぞだと思っていた。