星の唄
奏は7年も寝ていた。
その為、精密検査も本当に細かく行われた。
まだ結果が出ていない検査もあるが、一通り終わったのは、進んだ医療でも5日後だった。
─…コンコンッ。
結衣の部屋に朝からノックが聞こえた。
あの跡、結衣も検査を受け、夢での授業は控えて部屋で休養を取っていた。
─…ガチャッ。
「こんにちは。体調はいかがですか?」
そこにいたのは鈴音だった。
「こんにちは。大丈夫です。」
奏空だと思っていた結衣は少し肩を落とした。
けれど、残念だと思うことは、鈴音に申し訳ないとも思った。
「奏空さんだと思いました?」
「え?!」
お見通しの鈴音に結衣は顔を赤くして首を振る。
「いいんですよ。それに奏空さんに頼まれたんですよ、お二人を呼んできて欲しいって。」
鈴音は笑顔を見せる。
「奏空が?」
奏が起きて話をしたんだろうか?
奏に何かあったんだろうか?
結衣は急に心配になった。
「大丈夫ですよ、安心してください。よろしければ支度してホールに来て下さいますか?私は結樹さんにも声をかけてから行きますから。」
「解りました。」
結衣の返事に納得したように鈴音は笑い、部屋を跡にした。
結衣も慌てて支度をし、ホールへ向かった。