星の唄


奏にはこれ以上解りやすく説明できないが、それでも少しだけでも解るようにと話を続けた。

「その鍵になっている話が星の話だったの。」

「星の話か……。」

星の話と聴いて奏空は何か考え込んでいるように見える。
結樹も鈴音も難しい顔をしていた。

「奏空の部屋にはないのかな?」

結衣は夢の中で考えた通り、奏空に問い掛けた。

「どうかな…。」

答えてはいるが、奏空は考え込んだまま、視線も動いてはいない。


「こればっかりは考えても解らないだろ。見に行くか?」

「見に…ですか?」

結樹の言葉に鈴音は訝し気な顔をする。

結樹はいつもなら動くなら確信を得てから動く。
確信を得られない時も、少なくとも出来るかぎりのデータを集める。
すぐ動くことは鈴音の知るかぎり一度も無いはずだった。

「そうだな…。見に行こう。」

奏空も考えが纏まったのか、強い瞳で頷いた。

「それじゃ、決行は今晩。そのつもりで。俺はやることがあるから先に戻る。」

「では私もお手伝いします。」

結樹が席を立ったのを追うように鈴音も立ち上がった。

「あ、手伝いはいいよ。プライベートなことだから。」

それを見て、結樹はヒラヒラと手を振る。

「…解りました。」

納得が行かない表情で鈴音は頷いた。


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