星の唄
そこは前と同じ真っ暗な空間だった。
夢に落ちるタイミングが違うのか、結衣は独りきり。
けれど、三回目ともなれば特に慌てはしなかった。
結衣がポケットから星のかけらを取り出すと、前と同じように白く光っていた。
「これ、本当に優しい光りなんだね?」
突然声がして振り向くと蒼い頭が見えた。
「うん。奏空がくれた私の宝物だよ。」
結衣の言葉に奏空は嬉しそうに笑った。
「お待たせ。」
「お待たせしました。」
奏空と笑っている間に、結樹と鈴音も到着した。
二人の話を聴いていたのか、結樹は冷やかすように奏空に笑っている。
「…なんだよ。」
「別に?」
笑う結樹に膨れっ面の奏空。
結衣は前より奏空が楽しそうで嬉しくなる。
「お二人とも…奏さんも来ましたからその辺にして頂けますか?」
「「…はい。」」
厳しい鈴音の言葉に二人は固まる。
やはり鈴音が来て正解だったと結衣も奏も思っていた。
「はい。それでは奏さん、案内お願いします。」
二人を制した鈴音は、奏に笑顔で案内を促す。
「あ、はい。こっちです。」
夢の奥に進む奏に結衣と鈴音、結樹と奏空もついていった。