星の唄
碧い星
星の部屋のような空間を通り、夢の奥にしばらく進んでいくとまた扉がある。
これが探していた扉なのだろうか?
躊躇いながら奏空が手を伸ばすと、今度の扉は簡単に開いた。
「今度は簡単に開いたな…。」
「そうだな。」
簡単に開く扉を奏空と結樹はマジマジと見る。
けれど、扉の奥は暗く、中の様子は何も見えてこない。
「…で?奏空、どうする?」
「奏空さん、奏さんとお二人だけで行かれますか?」
結樹は開いた扉をさらに確認し、鈴音も結樹の言葉に付け加えながら、二人は奏空を見た。
今度こそ、満月が作ったものだろう。
だからこそ家族だけの方がいいだろう、結樹達はそう考えていた。
「いや…一緒に来て欲しい。」
奏空は結樹と鈴音、それから結衣に笑顔を見せる。
「いいの?」
「うん。私も来て欲しい。」
不安そうな結衣に奏も笑いかける。
結衣はその笑顔に頷き、結樹達を見た。
「仕方ない、行ってやるか。」
「そうですね。」
結樹と鈴音も頷き、奏空に笑顔を返した。
「行こう。」
奏空が扉の中に入り、奏、結樹、結衣、鈴音も続けて扉の中に入って行った。