星の唄
『今の¨碧い星¨は綺麗に見える?』
「「「「「え…?」」」」」
それぞれが答えを考えていると、急に満月の声がした。
『子ども達の想いを握り潰して護られた¨碧い星¨は本当に綺麗?』
満月は哀しい顔をしていた。
『私は綺麗だと思えなかった…。』
何度も何度も哀しい顔を見せる満月。
本当はプログラムを作った彼女が、一番後悔をしていたのだろう。
もちろん後悔をしたところで、一度起動したプロジェクトを止めることなんて、簡単には出来るはずがなかった。
だから満月は想いを残し、奏空達に託したのだろう。
「…今は綺麗って言わないかもしれない。だけど私は¨碧い星¨が好きです。」
静まり返る中、不意に結衣は声を出した。
もちろん、その声はプログラムの満月には届かないはずなのだが、満月も結衣を見ていた。
「「好き…?」」
結衣の言葉に結樹と鈴音は首を傾げ、奏も不思議そうな顔をする。
「結衣ちゃんはどうしてそう思うの…?」
奏空も満月の話を聴き、¨碧い星¨を綺麗だとは思えなかった。
そんな星を好きだなんて言えるはずがない。
結樹も鈴音も奏も奏空と同じなのだろう。
答えを求めて結衣の声に耳を傾けていた。