星の唄
光
5人が夢に入ってから、実のところ、かなりの時間が経過していた。
本来、深い夢に長時間滞在することは、身体に大きな負担がかかる。
用意周到な結樹や鈴音は、滞在時間が長くなってきていることを知っていたが、奏空と奏の為を想い、ギリギリまで黙っていた。
けれど、それも長くは続かなかった。
『…すず……?』
突然、鈴音のポケットから声がして、彼女は携帯を取り出す。
『鈴音さん?』
聴こえてくる声は透夜のものだった。
鈴音はみんなに聴こえるように音声をスピーカーに切り替える。
「透夜、どうかしました?」
『あ!!やっと繋がった!!鈴音さんそろそろ戻って来てく…。』
『…結樹!!奏空!!早く戻りなさい!!』
透夜が言い終わらないうちに、言葉を遮り、舞衣の大きな声が辺りに響き渡る。
その声に3人は顔を見合わせた。
「…………ちっ。」
「……しまった。」
「バレてしまいましたね。」
3人は舞衣に話すと止められるだろうと考え、黙って夢に来ていた。
もちろん、色々と機械を持ち出せば、バレるのは時間の問題だということも解っている。
だから透夜を見張りとして置いて来たのだが、彼も舞衣に見つかってしまったのだろう。