星の唄


「まったくあなた達は…っ!!」

戻って早々、奏空達と透夜は舞衣から飽きるくらい長いお小言を聴かされた。
もちろん、舞衣は5人の話を何も聴かなかった。
…というよりは、5人が何か話すということを許さない勢いだった。


夢に滞在していたより長時間正座をさせられ、結衣の足が完全に痺れた頃、やっと舞衣は話をやめた。

「全員解ったかしら…っ?!」

「「「「「「…ぃ。」」」」」」

「声が小さい!!!!」

「「「「「「はい!!」」」」」」

「よろしい。各自部屋に戻りなさい。」

6人の返事に舞衣は頷き、全員を部屋へと促す。
やっと解放された奏空達は、これ以上お小言を聴かされない為、全員すぐに部屋を出ようと扉へ向かった。

「待ちなさい、奏空、結樹。」

「「…?」」

部屋を出ようとした二人に舞衣は声をかけた。

「二人には明日から私の仕事を全て引き継いでもらうから、そのつもりでね。」

「な…?!」
「え…?!」

舞衣の笑顔と言葉に結樹と奏空は言葉を無くした。

実は、仕事の引き継ぎは夢で満月の話を聴いた後に…というのが舞衣と満月の約束だった。
結樹と奏空はもちろんそんなことは知らない。
けれど舞衣に何を話しても彼女の発言は変わらないことは知っていた。
二人は渋々頷き、今度こそ部屋を跡にした。


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