星の唄


「あのね…私たちだけじゃなくて、もっとたくさんの人と考えたい。」

「………?」

結衣の答えは、正直、答えにはなっていなかった。
けれど、結衣の瞳は語りつづけたまま。

「たくさんの人って……?」

「この星に住む人全員。」

「……………。」

結衣はきっぱりと言い切った。

(…また大きく出たな…。)

普通なら『え?』と聞き返したくなるような話。
こういうところは結樹に似ている気がする…。
そう思いながらも、奏空は思わず笑顔になる。

「全員って?どこまで?」

一口に¨全員¨と言っても色々だ。
おそらく結衣には考えがあるだろう。
反対する気はないが、聞かなければ賛成も出来ない。

「全員っていうのはね…プロジェクト賛成の人も、反対の人も、こどもからおじいちゃん、おばあちゃんまで全部。」

「な………っ。」

¨全員¨に対する答えに奏空は眼を見開き言葉を無くす。
奏空は結衣の考えを甘く見ていた。
結衣は奏空に反対されるのも、驚かれるのも、予想していたのだろう。
真っ直ぐに奏空を見つめたまま、表情にも変化はなかった。


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