星の唄
「星月夜はね。星が月みたいに明るい夜なんだ。」
「月って…あの星?」
ユイは碧い星の横にある灰色の星を指した。
「うん。今は輝いてないけどね。碧い星から見ると白くてすごく綺麗に輝いて夜道を照らしてくれるんだ。」
ここから見える星は輝きのない寂しげな星だった。
まるで星の唄の星達のようだった。
ユイはソラの言う、白い綺麗な月を思い浮かべながら続きに耳を傾けた。
「お月様はいつでも空にいて、碧い星を見守ってて…でもある日、頑張り過ぎて出てこられない日があったんだ。」
「じゃぁ外は真っ暗…?」
「うん。お月様もそう思って慌てて顔を出そうとしたんだ。そした星達がこう言ったんだ。
『たまには休んで下さい。僕たちが変わりに碧い星を照らしますから。』
ってね。確かに空はたくさんの星達のおかげでいつもみたいに明るかったんだって。」
「…それが星月夜?」
「うん。お月様の定休日。」
「優しい話だね。」
「でしょ?って言っても受け売りだけどね。俺が無理してたら一人で無理しなくていいって友達が教えてくれたんだ。」
「優しい友達だね。」
「そうかな?」
そう言いながらソラは照れ臭そうに、だけど嬉しそうに笑っていた。
「いつか見てみたいな…。」
ユイは輝きのない月をもう一度見て一人呟いた。