星の唄
その後、ソラは戻ってこなかった。
ユイは他にも”黒い星プロジェクト計画”についての書類や本がないか探した。
しかし、本棚、机…どれも見たけれど、見付けることはできなかった。
窓を見るとすでに星が出始めていた。
前と時間が同じならもうすぐ夕飯の時間だった。
ユイは仕方がなく部屋を後にした。
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夕飯を食べ終えて部屋に戻り、ユイは考えた。
もしも、ソラの部屋で見た”黒い星プロジェクト計画”の内容が真実だとすれば…?
まだ碧い星は碧いままのはずだ。
でもそんなことはあるのだろうか?
自分の祖母ですら碧い星を知らないのだ。
あるはずがない。
それに、もともとソラの部屋には碧い星についての資料は多かった。
仕事だって、宇宙の研究をしているのだから過去の書類だったのかもしれない。
だけど…?
あんなに慌てたソラをユイは見たことがないのだ…。
それがどうしても心に引っ掛かっていた……。