星の唄
ソラは自分だけの星の部屋を持っていた。
昔から星が好きで、星ばかり眺めていた。
けれど、汚れた世界では星がだんだん見えなくなって行くばかり。
星月夜なんて今の夜空にはもうなかった。
そこで考え出したのが星の部屋だった。
ソラは昔からパソコンも得意で小さなゲームもたくさん作っていた。
だから、星の部屋を作ることは難しくなかった。
星の位置を確認して星を並べて。
中には実在しない星もある。
そこはソラだけの星月夜だった。
もちろん、ユイが通っていた星の部屋もソラが作ったものだった。
あの部屋は、ソラの星の部屋とは少し違った。
ソラの部屋にはない星が見える部屋だった。
ソラは時折気になって様子を見に行っていた。
だから、ユイにも会ったのだ。
ソラがしばらく星の部屋に浮かんでいると扉が開いた。
「必ずここにいるんだな。」
入って来たのは先程までステージの上にいた男性だった。