星の唄
「お偉いさん方が探してるぞ?」
そう言いながら彼は星の部屋を泳いでソラの隣に来た。
ソラは何かあると、必ず星の部屋にいた。
星の中にいると悩みや哀しみは小さく思えて、前を見ることが出来た。
星の部屋はソラがソラに帰る場所だった。
「さっきは奏空(ソラ)のおかげで大変だったよ。」
意地悪そうに彼は笑った。
いつもそうだった。
昔から二人でイロイロやってきた。
その時失敗すると、彼は必ずこんな笑い方をした。
「あぁ…ごめん。でも結樹(ユウキ)がなんとかしてくれただろう?」
「まあな。でも…結衣(ユイ)も泣きそうだったんだぞ?」
結樹は先程より少し真面目な顔で奏空を見た。
「…解ってる。」
(…解ってる。)
もう一度心で呟く。
言われなくても解っていた。
奏空はそれを後悔して、ここにいるのだから。
「解ってるならいい。あぁ…そういえば、続きの説明は俺達の時みたいに、落ち着いた生徒から個人面談になった。」
「…解った。」
「ま、あの時と状況違うから大変だろうけど…。」
「あぁ…。」
「ま、落ち込むなよ。楓(カエデ)さんみたいには説明できないよ、普通は。」
「………。」