星の唄
「結樹!!奏空!!貴方達どこにいたの?結樹はミイラ捕りがミイラなんだから…。」
総司令部で舞衣(マイ)が大声をあげる。
リーダーの舞衣は結樹の母親で奏空の母とも親友だった。
見た目は可愛らしくふわふわしたお嬢様のような容姿だが、中身は違う。
スッと筋の通った強く素敵な女性だ。
「一緒に居たのなら、奏空は結樹に今後の話は聞いたかしら?」
「聞きました。」
「それならいいわ。だけど次から途中退出は禁止。ちゃんと最後までいなさい!」
「……はい。」
「よろしい。行っていいわ。…あ……。」
「…?何か?」
「うん。結衣は大丈夫よ。安心して。」
先程までの鬼のような顔とは違い、舞衣は優しい笑顔を見せた。
「……はい。」
奏空は深く頷き、部屋を後にした。
部屋を出て奏空はまた窓から空を仰いだ。
舞衣は大丈夫だと笑って言ってくれたが、奏空にはそう思えなかった。
ハイそうですか…と受け入れることなんて出来ない話なのだ。
しかも、自分は今まで結衣を騙してきたのも同じだ。