星の唄
「夢でも話があるんですか?」
「そうなんだよね。ユイはどっちがいい?」
「どっち…?ですか?」
「うん。俺に聞くのと、全部夢に見るの。ま、もちろん俺に聞いても多少は夢も見るけど。」
不安なユイに対してノラリクラリと彼は答えた。
でも、この答え方がなぜだか懐かしい気もする。
ユイの答えはすぐに決まった。
大事なことは夢で片付けられたくはない、それが答えだった。
「じゃあ、教えてください。」
「いいよ。」
相手も満足そうに笑って答えた。
でもユイには気になることがある。
「…あの、ちなみに他の人達もこうやって思い出すんですか?」
「いや。人それぞれ。家族の希望かな?家族が語ったり全部夢にしたり。イロイロ。」
「そうなんですか…。そうしたら、あなたに私の家族が頼んだんですね?」
「…うーん?合ってるとも言えるし、違うとも言える。」
「…?」
首を傾げながら答える彼の言葉は曖昧だった。
でもユイにとっては大事なことだった。
彼に家族が任せたのなら、ホントにユイは家族に捨てられたのだ。
そんな人は他にもいるのだろうか…?
「まぁ、まずはゆっくり話そうよ。」
ユイの不安を他所に彼はふんわり笑顔で答えた。