星の唄


お互い名前も知らなかったから、自己紹介もした。

彼はソラと名乗った。
普通、バーチャル世界の中で本名を使うことは少ないが、本名もソラだと言った。

ユイと同じくらいの年齢かと思ったが、実際はユイより年上で、今年で24だった。
童顔なのでよく間違えられる、と彼は笑って言った。


「それから、僕の仕事は宇宙の研究をしているんだ。」

「だから星のこともそんなに詳しいんですね?」

「それもあるけど、やっぱり星が好きだからかな。昔からユイちゃんみたいにここに通い詰めてたし、本もたくさん読んだ。」

「本…?なんてあるんですか?」

「たくさんあるよ。明日一冊持ってきてあげるよ。」

「あ、ありがとうございます。」

「楽しみにしてて。」


少し照れたユイに彼は優しく言った。


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