星の唄


(……ここは?)


結衣は目が覚めてしまったのか、もとの割り当てられた部屋のベッドの上にいた。
恐らくは本を読み過ぎた為に時間切れになったのだろう。

あの写真の¨ソラ¨がソラなのかは解らなかったが、笑顔は似ていた気がしていた。


しかし、記憶とは不思議なものだと結衣は思った。


一つ思い出すと次々に記憶が繋がっていく。

家族の事も思い出していた。
結衣は捨てられてはいなかった。

それだけ解ればまずは収穫なのだろうか?


ゆっくりと休めた気がしないが、朝のアラームが部屋に響き渡った。
この部屋に窓はないが、時計があり、時間が細かくセットされていた。


結衣はベッドを抜け出し、身支度を始めた。


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