星の唄
「そんなことも解らない方にお話しても無駄です。考えても解らないのであればお答えします。」
「…わかりません。」
女性はさらに深く大きな溜息をついた。
「では説明します。その前に、お解りになる方、退出して下さい。」
今度は半分より後ろに座るほとんどの生徒が席を立っていた。
質問した生徒は引っ込みがつかなくなっているようにも見える。
「後ろに残る方は納得出来ませんか?解りました。前列の皆さんもよく聞いていて下さい。」
彼女は前列の方に笑顔で言うと、質問者に向かい話し始めた。
「このプロジェクトに参加され、合格された方には、ある程度の待遇や権限が普通の方より多く与えられます。
それゆえ、指示や規則を守れないモラルも使命感もない方には何年かかっても合格は出せません。
そして、注意された理由も解らない、注意も聞かないのであれば、残念ながら、資格はありません。
言っても無駄かも知れませんが、お解りになりますか?」
質問者も他の生徒も言葉を無くしていた。
「解れば退室して下さい。」
今度は残りの生徒も退室せざる得なかった。