星の唄
「さぁ、気を取り直してやりましょうか。」
笑顔でそう言う彼女の声は、先程とは異なり柔らかいものだった。
結衣はこんな声をどこかで聞いたような気がしていた。
「私は鈴音と言います。皆さんに碧い星の歴史から一般教養までを教えます。よろしくお願いしますね。」
そう言いながら鈴音は分厚い本を配り始めた。
本は固い焦げ茶色のカバーに、厚さは親指の長さぐらい。
恐らくは中の字も小さいのだろう。
横から見ると色分けされているのか、何色もの色が見えた。
その厚さに配られた生徒の顔は青ざめていた。
「今日は碧い星の現状をお話します。それから、この本は差し上げます。本日は使いませんが、毎回持ってきて下さい。」
それだけ言うと、鈴音は碧い星について話し始めた。
結衣は聞きながらメモを取り始めた。