星の唄


鈴音の話を要約するとつまりこうだ。


今、碧い星の全土で空は狭くなりつつある。

それは大気や空気の汚染によるものだ。
空気の汚染から守る為、ドームで空を覆う国が増えた。
ドーム内の空模様は全て人工的なものだった。

大気や空気の汚染の原因は進み過ぎた科学によるものだった。

科学発展と同時に増え続ける、突然のスコール、異常気象により、空はますます遠くなった。
現在では太陽・月・星などは地上から観測出来ない。

天候不順が続けば、もちろん植物は育たなかった。
植物と海により碧い色をした星だったが、海も植物も枯れ始めていた。
植物が大地を癒せなくなり、必然的に水の汚染も広がった。
空を蘇らせる為に必要な自然が次第に無くなっていくのは明らかだった。

それでも食用としての植物は、僅かではあるが、ハウスや特別な装置が用いられ、生産されている。
飲み水も濾過装置により人工的に作られていた。
今や植物や水はとても貴重なものとして高額で取り扱われていた。


そして…四季溢れる国から四季は消えた。


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