星の唄


「これが今の碧い星。」

鈴音は長々と語った後、最後にどこか寂しそうにポツンと零した。

結衣もいつの間にかメモを録る手が止まっていた。

結衣はずっと碧い星に憧れてきた。
だから碧い星がまだあると知った時、複雑な気持ちもあったが嬉しかった。

(でも……。碧い星は…。)


「今日はここまでになります。」

結衣が落ち込んでいると鈴音が授業の終わりを告げた。

「皆さんの身体はまだ体力が少ないはずですから今日はゆっくり休んで下さい。」

と、笑顔でそう付け足した。

確かに結衣の身体は疲れていた。
ここに来てから短い時間で疲れている気もしている。
今まで箱舟に寝ていただけの身体を動かしているからだろうか?


講義が終わり、結衣は第一講義室を跡にした…


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