ニコ★イチ
「でもセージは女子には皆優しいしなぁ。でもでも、乃依ちゃんには少し特別な感じもしなくはないし…」



心ちゃんが腕を組んで考え込む。



「ニコちゃんは乃依ちゃんからそんな話聞いたことない?」



私は首を振った。

そういえば最初に男嫌いって聞いてから乃依ちゃんに好きな人がいるなんて考えた事も聞いたこともなかった。



「セージが乃依に対して特別な感じがするのは親戚だからだろ。人の色恋沙汰に首突っ込むとろくな事にならねぇーぞ」


「自分は首突っ込むどころか、ガッツリ邪魔してるくせに」



宗ちゃんの厳しい言葉に心ちゃんが、私の位置からは聞き取れない小さな声でささやかな抵抗を試みる。



「心、後で顔かしてもらおうか?」



ニッコリ笑う宗ちゃんの顔は明らかに引きつっていた。





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