ニコ★イチ
繋がらない電話に、悪い想像をし、それを否定してはまた考える。


それを繰り返していると手の中で携帯が震動した。


相手が二湖だとわかり慌てて通話ボタンを押す。



「ニコ?」


『宗ちゃん、こっちにも見回り来たよ』



それで電話に出なかったのか。

想像した最悪の状況は免れた。



「無事なんだね?」


『うん。乃依ちゃんも無事だよ』


「そう。よかったね」



聞きたいのは乃依の事じゃない。


藤岡の事だ。


俺は喉まで出かかった言葉を飲み込んで電話を切った。
< 152 / 199 >

この作品をシェア

pagetop