【短編】今夜、きみと最後のキスを
そんなつもりなかったのに、顔に出ちゃってたのかな……。


信じてあげなきゃダメだよね。

一生懸命戦ってるんだもん。

ここにいるみんなは。


もちろん、直樹くんだって──。



「直樹にーちゃん。サッカーしようぜ!」


俊太くんはあたしの表情には気づかなかったみたいで、直樹くんの袖を強く引っ張って中庭の中央に連れ出そうとした。


「サッカー!? ダメに決まってるでしょ! この前も怒られたばっかりじゃない!」

俊太くんの言葉につい声が大きくなる。


だってこの前、なにも知らずにサッカーで遊んでいる二人を見ていたら、看護師さんがすっ飛んできたんだ。

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