【短編】今夜、きみと最後のキスを
……夜の病院って、やっぱり怖い……。


ゆっくりドアを押すと、直樹くんの言う通りすんなりあたしを受け入れた。


青白い光の中、ナースステーションの前をすり抜けて屋上を目指す。


重い屋上のドアを開けると、夕方と同じベンチに直樹くんは座っていた。



「遅い」

音に振り返った直樹くんがいじわるな笑みを浮かべて言う。


「ごめん……って、まだ時間前だしっ」

「ははっ」

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