【短編】今夜、きみと最後のキスを
すぐに離れたそれは、あたしの胸元に落ちてきて……。



「……っ直樹くん!?」


──地面に倒れた。



「直樹くん!! 直樹くんっ!!」

息をしているのかさえわからない。


眠っているのかと思える程、地面に崩れ落ちた直樹くんの呼吸は静かだった。


「直樹くん!!」


揺すっても頬をたたいても起きない。



あたしは弾かれたように屋上を飛び出して階段を駆け降りた。


誰か呼ばなきゃ!!

< 48 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop