Ghost Lovers
へたをすると、今夜この階段を下りてくるであろう喜代が危ない。
もう昼時だし……お腹もすいたし。
「私、買い物行ってくる。」
上がりかけた階段の途中で足を止めて
くるりと後ろを振り返った。
すると、暗闇に大分慣れてきたせいか
二人の表情もよく見えたけれど……
…何でそんなに驚いた顔してるの?
「え…どうしたの二人とも。凜も、楼さんも。」
唖然、といった様子の二人の顔を見比べる。
凜に至っては、眉間に深く皺まで寄せていた。
明らかに機嫌悪そう。
冷や汗が背中に伝って、
何かまずいことでも言ったのかなと心配になる。
「買い物って…「外に行くのか小町!!」
「えぇ?!う、うんっ、当たり前でしょ!」
機嫌が悪いのかと思いきや
珍しく大声をあげ、詰め寄ってくる凜が怖い。
何だか、焦っているようにも見えるけれど。