Ghost Lovers
「駄目だ!行くな!」
「無理!!買わなきゃいけないものいっぱいあるし、」
「俺は…っ、」
言葉を詰まらせて、視線を逸らす。
そのまま俯いてしまった凜の表情が、
身長差から伺うことができた。
苦しそうで、切ない――
胸を締めつけるような、そんな。
「外には、行けない……」
外に、行けない?
凜の白銀の糸のような髪が、揺れた。
向き合った顔が、もう一度”行くな”と言いたげに見えたのに
それは、後ろから飛び出してきた楼に遮られた。
「というわけでさぁ?この子は行きたがってんだろ?
オレがついて行ってやるよ。」
「え――…」
楼さんが?!