Ghost Lovers

色々なことを考えるたびに、
あり得ないことが多すぎて。

……出て行く前の、凜の様子や言葉もおかしかったし。


(どういうことなんだろう…っ?!)


考えれば考えるほど、よく分からない。
何に対して気をつけるの?
近づいてくるもの全てって…


そんなの普通に無理!!


呆然と手を引かれるままに足を引きずられていたが
どうやら埒が明かないと思ったらしい楼が、
突然私の腰を掴んで持ち上げた。


「えぇ?!ちょ、何っ、変態?!」
「変態呼ばわりとは…お前、後で覚えてろ。」
「離してよっ!」
「暴れんな!お前の足が遅いんだよ!」


肩に担がれ、暴れていた私は
楼の気迫に押されてしゅんと黙り込んだ。


やっぱり危険だ、この狼。ケダモノだ。


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