Ghost Lovers
目を――付けられた?
その言葉一つで、背筋がゾクリとした。
スピードに振り落とされないよう、
必死で楼の背中に捕まる。
握りしめた両手に、汗が滲んだ。
「今日襲われたのがその証拠だ。
あいつは人間の”生気”を吸い取る妖怪――」
ククッと喉を鳴らして笑い、
あれは不味かったと文句を呟く。
「まぁ、オレにとっちゃあ
ただの低級妖怪だがなァ。」
でも、私はそんな妖怪に殺されかけたんだよ?
あんなにあっという間に、容易く。
もしもあそこに楼が来てくれなかったら
私、きっと――いや、絶対死んでた。