Ghost Lovers
「でも…っ!私、妖怪は今までも見えてたけど
襲われたことなんて…!」
「そりゃあそうだ。」
あいつ等は、と重く響くような声を
静かに私の耳に轟かせる。
反論するような私の言葉を、いとも簡単に遮って。
「今まで、妖怪共はお前が”見えている”ことに
気が付いてねぇから。」
それだけだ、と。
「どういうこと…?!」
「いいか?お前は”あの”大悪魔様と関わっちまったんだよ。」
――大悪魔様?
関わってしまった…ということは、やはり凜のことだろう。
呆然と楼の話を聞くだけの私を、
楼は再度振り返って、「ガルル…」とわざとらしく唸った。