Ghost Lovers
そんな楼だって、怖い。
喜代も、凜も…みんな妖怪だもの。
でも、まともに他人と関わったのが
私にとって久しぶりだった。
ただ一日二日で、彼らの全てを知っているわけではないけれど
何だか温かかったんだ。
自分でも、よく分からない。
だから。
「私、あの家で暮らすよ。」
妖怪の方が、よっぽど人間なんかより温かい。
自由奔放な両親を、蔑むような視線で見つめる人間なんかより―――ずっと。
「何言われても、もう出ていかないから。」
今度は、しっかりとした口調で言う。
しばらく私を見つめていた楼は、
フンと鼻を鳴らして目を伏せた。
「後悔しても知らねーぞ。」
「しないもん!」