Ghost Lovers
「暇。」
最近では顔を合わせるといつもこれだ。
まるで口癖のように、私の口から零れ出る。
「いつものように掃除でもしたらいいだろう。」
「もう掃除なんてとっくに終わったよ!」
再度はぁ、と溜め息が出た。
あの激動の二日からもう一週間。
ここって本当にゴーストホテルなの?!と
疑うほどに妖怪一匹訪れない。
暇を持て余すのは当たり前で
いくら掃除が趣味でも一週間もあれば
全て終わってしまった。
「ねぇ~…何で、ここってこんなに誰も来ないの?」
「俺が知ることじゃない…。」
呆れたように凜は呟いた。
客寄せの私がいたって、他の妖怪たちは
人間がこの屋敷に住み着いてることを知らないのだから
来ないのも頷ける。