Ghost Lovers

「やーそれはよかったっ」
「じゃ、早速行ってらっしゃい!」
「父さんたちは行ってきますよ!」


もううんざりした。

肯定の言葉を聞いた両親は
あっさり笑顔になって手を振った。
私をこの恐ろしい場所に取り残したまま
さっさと車に戻っていく。

私はその二人の背中を、
今回も呆然と見送った。


「お金はいつものように仕送りするわ!」
「またきっと迎えに来るからな!」
「「じゃっ!!」」



嫌いじゃないけど、本当にムカつく。


そんな両親に、ヒラヒラと力無く手を振る。
どうせ次会うときは、ここから出るときだ。
”長期戦”になるとか言ってたけど
どうか一刻も早く迎えに来て。


まるで、捨てられたような気分で
私はしばらくの間佇んでいた……。






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