Ghost Lovers





「おは…よ…小町ちゃん~…」
「おはよ。眠たかったら寝てればいいのに。」
「いーのー…」


キッチンに行くと、いつもの食卓には
もう既に喜代が座っていた。

…と言ってもほとんどうつ伏せで寝ているんだけれど。



「早く…起きないと、小町ちゃん~…
 すぐ、寝ちゃうから…」



寝ぼけ眼で微笑む喜代は、
ガラにもなく可愛いなんて思ってしまう。

寝ぐせのついたふわふわの髪に覆われて
また喜代は食卓に伸びた。


(…寝起き悪~…)



そんな彼にクスッと微笑んで、
凜の前にコーヒーを置いた。



「今日は…雨だね。」
「あぁ。」
「お客さん…来ないね。」
「あぁ。」


飲まなくても死なないくせに
凜は毎朝私の淹れたコーヒーをすする。
そして、続かない会話を繰り返す。

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