Ghost Lovers
でも不思議と嫌な感じはしない。
それは今まで私があまり他人と関わらなかったせいなのか
よく…分からないけれど。
凜の隣は心地がいいというか、何というか。
(はっ!悪魔のペースにのまれてる!)
自分で自分を叱咤し、頭を左右にブンブン振る。
そんな私を、凜は怪訝そうに見ながら
コーヒーをすすった。
「…ねぇ凜。」
「何だ。」
カチャ、と音を立てて置いたカップに
もう一度コーヒーを注ぎながら
凜の顔をちらりと見る。
早く、と言いたげに顎でカップを指す姿に腹が立つ。
「喜代と楼って、ここの従業員?」
「は?!」
突然の質問に凜は目を丸くして、
カップを持ち上げたまま静止した。
…そんなに驚かなくても。