Ghost Lovers
確かに三人は、この一週間
全く仲良さげな仕草を見せない。
凜とはずっと一緒にいるけれど
そこに喜代はあまり絡んでこないし
よく口喧嘩を始める。
楼に至っては部屋に閉じこもって出てこないことがほとんどで
久しぶりに顔を合わせると
雰囲気は険悪で仕方が無い。
「働きもしないくせに代金も払わない。」
テーブルに頬杖をついた凜は
心底うんざりした顔をしていた。
ぶつぶつと口を尖らせて呟きつつ、
無心にコーヒーの中に砂糖を入れる。
「あいつらとは相性が合わん。」
「…それ、砂糖入れすぎでしょ。」
「あ。」
しまった、といった表情になった時は
既に溶けきれなくなった砂糖が
コーヒーの上に浮かんでいた。