Ghost Lovers


私がニヤケてコーヒーを飲んでいると
突然、凜にしては珍しく
動揺したように立ち上がった。

ガタン!と打ち付けた拍子にテーブルが揺れ
眠っていた喜代がずり落ちる。


「っ…?!ちょっと凛くん邪魔しないでー…」
「凜、どうしたの?」


驚いたように目を見開き、
立ち尽くしている凜を見上げる。

彼は、眉間に皺を寄せてゆっくりと違う方向を向いた。


そっちは――…玄関ホール。



「凜…?」



(……砂糖入りのコーヒーがあたったとか…?)


私のあり得ない考えを掻き消すように
凜が低く、ぽつりと呟く。




「……妖だ。」



…え?

< 135 / 169 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop