Ghost Lovers

辺り一面埃まみれの、蜘蛛の巣だらけ。
慣れているとはいえ……天井が高いから
掃除できそうにない。


「早速やだぁ……」


ひび割れたステンドグラスが、
雨と風のせいでカタカタと揺れて
まるで幽霊が笑っているように聞こえる。


……駄目駄目駄目!!!

それを考え始めると、
怖くて怖くてすぐに心臓なんて止まってしまう。


これも仕事だ……仕事、仕事。




「…でもやっぱり怖いーーーっ!!」


耳を塞いで、涙の浮かんだ目をギュッと閉じて
私はその広いホールの中心にしゃがみ込んだ。

外はゴロゴロ…と小さく雷鳴が響き始めていた。



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