Ghost Lovers
(誰?不審者?!浮浪者?!もしかしてここに住み着いてた人?!)
その低い声は、普通に話しているだけなのに
何故か背筋がゾクッとするような響きだった。
何とも表現できないような、
私の耳に直接くるような、そんな声。
(やだ…っ、怖い――!)
声の質からして、おじいさんでは無い。
子供というわけでも無さそう。
「一体どうしてこんなところに迷い込んだのか……
さっさと追い出さねぇとな…」
追い出す?!
ちょちょ、ちょっと待ってよソレ!!
ギュッと瞑っていた目を、
思わずバチッと開けた。
やっぱり目の前に広がるのは、この恐ろしい洋館。
しかし次の瞬間、
突然視界が遮られて、私の前に立つ――人影。
(足音、しなかった…?!)