Ghost Lovers
見えて、いるのか?
つまり?
え、何?
これ、普通は見えてないはずなのにっていう設定?
いやいや、ナイナイ……
「見えねぇはずなのに……」
嘘。
ポカンと口を開けた
私の背中を、一筋汗が流れる。
よくよく見れば、その青年の背中――
「ヒッ……!!」
絶句した。
思いだす。
あの夢の光景を。
ここに来る前――見た、あの人影を。
ぼやけて顔も形も分からないのに
ニィ、と笑った口と
悪魔のような羽根の存在だけは、しっかりと見てとれたあの人影。
(正夢――ッ?!)