Ghost Lovers
「様々な妖(アヤカシ)がここに泊まりに来る。」
「魂を狩るために現れた死神、
その死神から逃れる幽霊、」
「そんな、バケモノたちの居場所。」
呆然と、口を開けた。
父さん母さん…やっぱり君たちは探してくる家を間違えたよ。
こんな…こんな、こんな……!
(ゴーストホテルに娘を置いていくなんて――っ!!)
「ここはもう、約200年そうして建っているのだ。」
自信に満ちた、悪魔の表情。
もう、こんなバケモノ屋敷に勝てるわけない。
クルクルと自分の羽根を弄る目の前の青年も
ここに住んでいるのだろうか?
「さっきの声の主たちも神だ。
今が昼時でよかったな……」
でないと、すぐに喰われていただろう。
と、さも可笑しげに笑って、
漆黒の柔らかい羽根を私の鼻先に当ててくすぐる。
「人間など…アイツらにとって絶好の餌だからな。」