Ghost Lovers
ジワジワと滲んでくる涙。
ここで泣くと、悪魔に屈するようで嫌だ――…
でも、怖い。怖いものは怖い。
だってここ、もう人間の世界じゃない。
じゃあさっきの声に見つかったら
私はあっさり食べられていたわけ?
「ガ…ガブリ?」
「ペロリ、丸飲み。」
丸飲みーーーっ!!??
「妖の活動時間は基本は夜だ。
よかったなァ……ククッ」
「俺のおかげだ。」
本当によかった。
私の叫び声で、神たちが起きてきたんだ。
この悪魔のおかげ…というのはどうも嫌だけれど
助けてもらったことは確かなようで。
「ア…アリガトウゴザイマシタ。」
俯く私の瞳から、ポタッと一粒涙が落ちた。
鼻をくすぐっていた羽根が、
私の涙を掬った。