Ghost Lovers
また、私の絶叫が屋敷中に響き渡った。
しまった。
これはかなりヤバイ。
しかし今度は別に私の口を塞ぐわけでもなく、
隠してくれるわけでもない悪魔は
ただクスクスと笑うだけ。
「また大声上げちまったなァ…。
アイツらが起きてくる。」
「ヒッ……!!」
上の階から、ガチャガチャと古い扉の開く音が聞こえる。
迫ってくる、さっきと同じ足音。
そして、声。
「オイ、凜!!!さっきからウルセェんだよ、
一体誰だ…あ゛ぁ?!」
「ほんとそれー。眠れないじゃん。安眠妨害だよ。」
ビクッと思わず肩を強張らせて
両手を強く握った。
また目に涙が浮かぶ。
「さぁ…どうする?」
ここで食べられるか
それとも、ここで
「働く…ってこと…?」
悪魔は、こくんと笑顔で頷いた。